ボツ記事供養:S.I.2021注目プレイヤー10傑

0. はじめに

 このエントリーはSix Invitational 2021の開催に合わせて投稿しようと思っていたものです。先日UBIよりInvの延期が発表され、残念ながら無意味なエントリーになってしまいました。しかし、せっかく書いたわけですし、とりあえず原文ママでアップしておくことにします。いつまたInvが開催されるか分かりませんが、それまでは夢の続き、楽しい楽しい事前予想を楽しみたいと思います。

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1. 序論

 いよいよSix Invitational 2021が目前に迫ってきましたね。年に1度のシージ界の祭典で、昨年から競技シーンが再編されており、今回は過去最多の19チームが参戦します。残念ながら、オーストラリア当局の判断によりWildcard Gamingが参加を見送ることになりましたが、我らがAPAC地域からも3チームが出場を決めています。活躍に期待したいです。

ところで、せっかくのお祭りですし、普段推しているチーム以外の試合も楽しみたいですよね。そのためには、事前に各チームのスタッツを確認し、選手やチームの特徴をなんとなく把握しておくことが有効です。スタッツはあくまで選手の能力の氷山の一角ですが、何もわからないよりは断片的にでもわかっていたほうが試合観戦が捗るでしょう。本稿ではスタッツ把握の一例として、最近のプロリーグで特徴的なスタッツを残しており、Invでの活躍が期待される選手10人を紹介したいと思います。より楽しいInv観戦ライフの一助となれば幸いです。

2. 扱うスタッツの解説

 今回取り上げるスタッツを簡単に紹介します。なお、断りがない限り、本稿で扱うスタッツは全て4大リーグ(EU、US、Brasileirão、APAC North)の2020 Stage2における数値です。数値は全てSiegeGGから引用しています。

K-D

 何人キル(K)したか、何度デス(D)したか、その差分を示しています。
 K-Dが大きい選手はチームの勝利に大きく貢献していると言えます。

EntryK-D

 K-Dのうち、ラウンドの最初に生じたものに注目した指標です。
 序盤に人数有利を獲得することは試合に勝つためにとても重要であり、フラッガーの強さを見る上で役に立ちます。

Plant

 攻撃においてディフューザーを設置した回数です。
 チーム単位でPlantの数値を見ることで、そのチームの攻撃スタイルがおぼろげに分かります。

1vX

 クラッチ力が高い選手を示すスタッツです。
 多いと嬉しいですが、多すぎるチームはもしかすると作戦面でうまくいっていないのかも…?

SRV

 最後まで生存したラウンドの割合です。
 サポーターかつ撃ち合いが強い選手が高くなるスタッツです。

 以上のスタッツを基に、個人的・Inv注目選手を10人紹介したいと思います。

3. 注目選手10人

BriD(EU, BDS Esport)

K-D:+14(58-44) EntryK-D:-3(1-4) Plant:8 1vX:2 SRV:53%

 まずは優勝候補BDS EsportからBriD選手です。彼は「BDSと言えばShaiikoのワンマンチーム」というステレオタイプを打破した選手だと僕は思っていて、特筆すべきはSRV53%という驚異の生存力。Inv参加の19チーム95選手の中でナンバーワンの数字です。ShaiikoやElemjzeらを倒してもまだBriDがいる、という絶望感を与えられる存在だと思います。

Aqui(EU, Mkers)

K-D:+32(138-106) EntryK-D:+14(33-19) Plant:4 1vX:2 SRV:27%

※データはSix Invitational 2021 Europe Qualifierより

 今大会のダークホース枠、MkersのフラッガーのAqui選手は出場選手中、最もEntryK-Dの数値が高い選手です。速い攻めとハードピークが特徴的なチームの中で、Aqui選手は核弾頭的な働きをしています。遠隔ガスグレネードやボルカンシールドの爆風をものともせず前進し続ける彼のASHは見ていて清々しいですね。

m1loN(EU, Virtus.pro) / Ayagator(APAC, CYCLOPS athlete gaming)

m1loN:

K-D:+21(79-58) EntryK-D:+8(11-3) Plant:2 1vX:0 SRV:39%

Ayagator:

K-D:+20(89-69) EntryK-D:+8(11-3) Plant:4 1vX:3 SRV:32%

 一見すると毛色の違うこの2人は、Entryの勝率が最も高いという共通点を持っています。「最もファーストブラッドを貰わなかった選手」と言い換えてもいいかもしれません。早々にやられることなく与えられたタスクを堅実にこなす、職人的な選手と言えるのではないでしょうか。2年ぶりにInvに出場する日本チームとしてCAGには期待が大きいですが、特にAyagator選手の職人技に注目していきたいです。

HysteRiX(APAC, Giants Gaming)

K-D:+45(109-64) EntryK-D:+8(21-13) Plant:1 1vX:2 SRV:39%

次はAPACの巨人、GiantsからHysteRiX選手です。この人のプレイスタイルでSRV39%はちょっと高すぎますね。一人で動いて相手のフォーメーションの間に入っていくスタイルの選手だと思うのですが、高いリスクを背負っていながら最終的に生き残っている超人です。この人くらいリーグで突出して活躍している選手が他地域の強豪をどこまで破壊できるのか、見てみたいですね。

Canadian(NA, Spacestation Gaming)

K-D:-5(60-65) EntryK-D:+2(9-7) Plant:16 1vX:1 SRV:32%

 みんな大好き、世界王者SSGのCanadian選手はプラント率(Plant数/攻撃ラウンド数)が全選手中最も高い選手です。Canadian選手自身が凄いのはもちろん、ここまでプラント率が高いのはSSGのチームとしての特徴が色濃く出ている気がします。役割意識がはっきりしていて、決め事を確実に実行する高いスキルが各人に備わっていることが感じられますね。ロールチェンジが最近あったみたいですが、それがどう影響するかも注目です。

Chala(NA, TSM)

K-D:+13(75-62) EntryK-D:-2(4-6) Plant:0 1vX:6 SRV:49%

 NA2人目の選手は、NA王者TSMからChala選手です。全選手中、1vX率(1vX数/全ラウンド数)が最も高く、20ラウンドに1回はクラッチしているので、TSMの試合を2マップ見たら1ラウンドはChala神になります。US Finalでの活躍も記憶に新しいですが、東のBriD、西のChalaという影のエースががぶつかり合うかも、というのも世界大会の醍醐味ですよね。

Faallz(LATAM, Team oNe Esports)

K-D:+24(144-120) EntryK-D:+14(22-8) Plant:15 1vX:3 SRV:37%

 ブラジルリーグ1位のoNe所属のFaallz選手は、サポーターなのにEntryが高い&その勝率もすごいという不思議なプレイヤーです。oNeというチームはEntryの数字が1人の選手に固まっておらず、全員が等しく前線で戦っているように見えます。注目したいチームですね。あと、Faallz選手はめちゃくちゃイケメンです。選手の顔が見えるのもオフライン大会ならではです。

Muzi / pino(LATAM, Ninjas In Pyjamas)

Muzi:

K-D:+49(159-110) EntryK-D:+4(22-18) Plant:0 1vX:3 SRV:40%

pino

K-D:+42(155-113) EntryK-D:+16(38-22) Plant:2 1vX:3 SRV:38%

 最後に、昨年準優勝のNinjas In PyjamasからMuziとpinoのダブルエースについて。ちょっとマニアックなスタッツになりますが、「最もK-Dの合計値が大きいコンビ」です。「最強のふたり」ですね。どちらかをつぶしてもなお油断できないという存在は対戦相手からすると脅威ですよね…!今年も上位に食い込み、あわよくばハンマーを掲げそうです。

4. 結言

 以上、スタッツ的に気になる10選手を紹介させていただきました。SiegeGGで出場各選手のスタッツを見ることができるので、よく知らないチームについてInv開幕前に予習しておくと、今まで知らなかったけど魅力的な選手やチームを発見できるかもしれません。Invまでの待ち遠しい時間のお供にスタッツ、おススメです。