HS率の算出式を再考する会
1. 序論
突然ですが、ヘッドショット率(HS率)ってどう思いますか?「ガンファイトの強さ」を表現するときによく用いられる指標だと思いますが、個人的には、今の計算式だと本当に「ガンファイトの強さ」を示せているのか微妙な気がしています。あれって、今の計算式だと
HS率 = HSを決めたキル数/撃ち合いによるキル数
って形で表されてるんですよね。前々から疑問だったんですが、分母、これでいいんでしょうか。HS率が「ガンファイトの強さ」を示すためのものだとしたら、分母に来るべきは「デスを含むすべてのガンファイトの回数」ではないでしょうか。極端な話、10回ガンファイトして1回しか勝てなかったけど、その時はHS決めてたよってケース、HS率は100%になりますけどガンファイトに強いわけではないですよね。だったら、デスも含めた数字が分母に来た方が「ガンファイトの強さ」を示すという目的に適う気がしています。
ということで本稿では、RJL2021の第2節までを題材として、現行のHS率に対してHS率βを独自に算出、比較検討してみたいと思います。
2. 方法:HS率βの算出式
上記の通り、現行のHS率は
HS率 = HSを決めたキル数/撃ち合いによるキル数
と算出されています。
これに対して、HS率βを
HS率β = HSを決めたキル数/撃ち合いによるキルとデスの和
と定義します。分母をKのみからKD両方にするわけですね。
RJL第2節までの8試合について、SiegeGGから必要な数値を参照するとともに個人的に取ってるスタッツからHS率βを算出、現行のそれと比較しました。
3. 結果
現行のHS率とHS率βの上位10名をそれぞれ下表に示します。
いかがでしょうか。デスが分母に入ったため、全体的にパーセンテージは落ちています。βの方は分母に撃ち合い全体と近似できる数値を置いているため、例えば1位のKohk1選手は撃ち合いのうち4割をヘッドショットで解決していると言えるでしょう。現行のHS率よりも直感的に伝わるのではないでしょうか。
メンバーはほとんど左右の表で変わっていませんが、Anitun、Gatorada両選手がβでは新たにランクインしています。現行のHS率と比較して、「死なない選手」がランクインしやすくなったと言えるのではないでしょうか。この手の指標って結局、見た人の納得度が高い方が優秀だと思うので、このランキングを見比べてみて、どっちがいい感じか考えていただけると幸いです。
4. 結論
現行のHS率と、「ぼくがかんがえるさいきょうのHS率」の比較を行いました。どっちが良いかは正直分からんですね。
このゲームのキルデスは西部劇の決闘のようなイーブンな状況での正面からの撃ち合いではないため、現行もβもそれ自体が「撃ち合いの強さ」に対する近似値でしかありません。シーズンによって数値も変わるでしょうし。そもそも、HS率を基に何かを判断するのが間違いなのかもしれません。謎の多いスタッツだなあという感想を改めて持ちました。
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