次に消える大会マップを防衛取得率から予想する

1. 序論

 新シーズンがやってくる。

 今日の深夜、日本時間27時に新シーズン「Shadow Legacy」のrevealが配信される。新オペレーターの登場、タチャンカのリワーク?など話題は尽きないが、その中で、マップ「山荘」のリワークも発表されるだろう。もともと山荘は大会マップであった。カフェやオレゴンといったリワーク組が割と早くに競技シーンに戻ってきたことを考えると、山荘も早々にマッププールに加わるのではないだろうか。シージのゲームデザイナーであるJean-Baptiste Hallé氏は、次シーズン、これまでにない環境の変化が訪れるとツイートしており、変容を遂げた山荘の参戦の可能性は高い。

 

 もしそうなれば、既存のマッププールから1マップは入れ替わりで退場、という形になるだろう。現行のマップはテーマパークを除き深く愛されている(当社調べ)マップたちであり、どれが消えても惜しむ声が上がりそうだ。ただ、どれかがいなくなることは想定しないといけないわけで、本稿では、前回のマッププールの変更を参考に、高層ビルの代わりにいなくなってしまうマップを予想する。

2. 方法

  six invitational 2020以降、競技シーンのマッププールには、銀行、国境out、テーマパーク、オレゴンinという変更が施されている。私の知る限り、消えたマップについて公式からその理由が語られたことはないので、ここでは、「マップ研究が煮詰まりボムサイトの攻略が簡単になりすぎた」ためにマッププールから該当マップが削除されたと仮定して議論する。

 SiegeGGより、six invitational 2020における各マップの防衛取得率を参照し、前回のマッププールの変更の要因を確認した。また、四大トップリーグの今シーズンの結果から、現行のマッププールにおける各マップの防衛取得率を参照し、次回、高層ビルと入れ替わるマップを予想した。

 3. 結果

 下表はsix invitational 2020における各マップのラウンド数、防衛取得率を示している。

  inv 2020
round Defence%
Club House 154 66.0%
Consulate 163 50.0%
Coastline 143 47.0%
Kafe 127 59.0%
Bank 125 51.0%
Border 119 47.0%
Villa 90 58.0%

  これを見ると一目瞭然…というわけではない。確かに国境は防衛取得率がワーストであり、しかもあまりプレイされていないため、上記の仮定にそぐう結果となっている。しかし、銀行は比較的防衛取得率が低いとはいえ、領事館、海岸線よりはまだ高い。従って、マッププールの変更は防衛取得率を一応の参考にはしているものの、それ以外の要因を含む総合的な評価で決められているようだ。最近加わったORYXやKALIは銀行が競技マップに残っていたらそれなりに猛威を振るいそうなので、オペレーターの動向も要因の一つだろうし、銀行地下の単調になりがちな展開を嫌ったのかもしれない。まあ一応、防衛取得率が低いマップがいなくなりやすい、という傾向は見て取れた。

 そこで次に、今シーズンのトップリーグにおける各マップのラウンド数、防衛取得率を見てみよう。

  Stage 1
round Defence%
Club House 501 53.2%
Consulate 401 52.5%
Coastline 278 42.1%
Kafe 387 53.9%
Villa 408 56.1%
Oregon 459 60.7%
Theme Park 202 56.1%

 テーマパークさんのプレイされてなさが気になるが、それはさておき、海岸線のラウンド数の少なさ、防衛取得率の圧倒的な低さが印象的だ。海岸線はもともと攻撃マップといった印象を持たれているが、42.1%はちょっと低すぎる数字な気がする。確率だけで見たら2-4で攻防折り返すことが多いってことになるし。個人的には、7マップの中で唯一ハードブリーチャーの重要性が低くピックに自由度が出るので好きなマップなのだが、ここまで偏りが出てしまうと、競技としてはよろしくないかもしれない。invで防衛取得率が低かった領事館は、WAMAIの登場や2階の待合室の真ん中を通す工事の普及などが要因か、意外と盛り返している。攻防のバランスを考えると、やはり海岸線が退場するのではないだろうか。その次が領事館かもしれない。

4. 結論

 必ずしも防衛取得率の低下はマッププールからの削除を意味しないようだが、おおよその傾向はあるようだ。山荘が早々にマッププールに加わる場合、海岸線が消される第一候補となるだろう。次点で領事館、大穴がテーマパークといった感じだろうか。