贔屓の試合を観ていてお風呂に入りたくなった時の一考察

1. 序論

 日に日に陽が短くなり、肌寒い日も増えてきましたが、そんな秋の折、APAC NorthのSTAGE 2が開幕しましたね。Fnaticの復権気配、盤石なGiants、日本勢の激闘など、アチアチな日が続いていますが、私は一つ不満があります。6試合ぶっ続けは流石に観る方もしんどいぞ。

 とても楽しくてあっという間に過ぎる秋の夜なのですが、それにしたって、通常、夜ごはん食べたりお風呂に入ったりする時間、PCの前に釘付けになる(しかも平日!)のはなかなか生活リズムを整えるのが難しくなってきます。先日のFAV vs Xavierのような一瞬たりとも目を離せない大逆転とかもあるので、歴史を見届けたい身としてはPCの前を離れることは許されざるですよね。とはいえお風呂には入りたいので、ここから30分くらいは中座しても問題なさそうだぞ、というタイミングを見定めることは大事です。言い換えれば、前半で贔屓チームが○ラウンド離して勝っていれば多分この試合はそのまま勝つだろう、という閾値を知ることは、試合を楽しみながらリアルのQOLを維持するためには大事です。

 そこで本稿では、前半6ラウンドのラウンド取得状況が、試合の勝敗に与える影響について見てみようと思います。今回の結果は、視聴者としては「安心して見れるラウンド差」を示すことになりますし、競技シーンに携わっている方にとっては、もしかしたら「前半にラウンドを取得することの重要性」を示すかもしれません。いわゆる「風呂試合」はシージに存在するのでしょうか。

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  /.  |:: |  9回表終了 | ::|   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |.... |:: | 日4-8楽  | ::|   | よし、決まったな!風呂にでも入るか
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      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∬  (  _)
             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄旦 ̄(_,   )
           /             \
           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|、_)
             ̄| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄



   ~30分後~
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  |.... |:: | 日9x-8楽 | ::|   | ふう、いい湯だった…アレ?
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             / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄旦 ̄(_,   )
           /             \
           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|、_)
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風呂試合とは (フロジアイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

 2. 方法

 APAC North Division 2020 Stage 1の全試合、Six August 2020 Major - APAC Northの全試合、APAC North Division 2020 Stage 2のDAY2まで(計85マップ)を集計期間とし、ラウンド6時点でのラウンド取得状況、マップ勝敗をSiegeGGより取得した。なお、前半6ラウンド終了時で3勝3敗のケースはマップ勝率を50%とみなした。

3. 結果と考察

 結果を下表に示す。

前半終了時 出現回数 マップ勝利 マップ勝率
3W3L 25 12.5 50.0%
4W2L 40 34 85.0%
5W1L 15 11 73.3%
6W0L 5 5 100.0%

 前述の通り、前半終了時に3勝3敗の場合は集計の都合上、マップ勝率を50%としている。それ以降、4勝2敗以降を見ていこう。

 とはいえ、それほど語ることもないのだが、前半終了時、4勝2敗の場合はマップ勝率が85%、5勝1敗では73.3%、全勝では100%となった。基本的に、やはり前半戦でリードを奪ったチームがそのままマップを取得するという傾向が改めて明らかになった。チームのレベル差もあるので一概には言えないが、メンタル面など鑑みると、前半にリードを奪うことが重要であり、マップの攻防選択権はかなり勝敗に直結する(攻防得意な方を選択できる)ということが示唆された。

 今回の結果で特筆すべきは、4勝2敗の折り返しよりも5勝1敗の折り返しの方が逆転されるリスクが高かったことだろう。思うに、5勝1敗で折り返すようなマップは、攻防のバランスが崩れているマップ(オペBAN含め)であり、優位を握って折り返しても、同じことをやり返される可能性が高いのではないか。本稿の趣旨、「お風呂に行くタイミング」を考えるうえで重要な示唆である。

 ちなみに、前半終了時の勝敗別にオーバータイム突入率を見てみると、3勝3敗折り返しでは16%、4勝2敗時で22.5%、5勝1敗時で40%であった。これを見ると、前半でラウンド取得が偏るマップは、後半でも同様の傾向に陥りやすく、結果として6勝6敗でオーバータイムに突入する可能性が上がることが示された。最終的なリザルトとしては前半でラウンドを取ったチームが勝利しやすいが、一方で、もつれる試合が増えることが示唆された。

4. 結論

 結局、我々はいつお風呂に行けばいいのだろうか。数字の上では前半終了時に4勝2敗のラウンド差であれば、そのままの優位で試合が終わる可能性が最も高いことが示されている。しかし、20回に3回は2勝4敗から逆転するチームが現れており、うかつにお風呂に入っていると劇的な展開を見逃してしまう。従って、本稿から言えることは、火曜と木曜はさっさとやることを済ませて18時半には万全の状態でPCの前に座るべき、ということではないだろうか。学生なら火曜と木曜にバイトのシフトを入れることは避けよう。社会人なら残業を突っぱねよう。一緒に歴史の目撃者になりましょう。